環境に馴染むのが困難な時
懐かしい場所景色を思い出すようにしている。
そうせざるを得ないからだけど
風情と呼ぶところに足を運べる場合がある。
年齢が経つとその時の細かな心情まで全て思い出せなくなる。
この本はそんな心の隙間に寄り添って情景を思い出すのをたすけてくれる。
些細な描写には感嘆させられるうえに
次第に自分の無能さを痛感することになる。
しかしながら読み進めるうちに主人公の成長と読むこちら側の共感も相俟ってそんなことは感じさせなくなっていく。
読書感想文ではないがもっと早くにこの本に遭遇しておきたかった。
もはや読書は娯楽ではない。
後悔の大雨の季節がやってくる。