不安になるとピカソの絵を思い出す。
顔に線の入った女性の絵
両親どちらかの祖父母の家にポスターとして貼られていた。
肌すらも、肌色には見えなかった。
青と黄色、黒や茶色を忙しなく混ぜ混ざりきっていないような塗り方だった。
何故それを思い出すのかはわからない。
目は人にしては大き過ぎ、人の顔というよりはお面、鼻はおでこの線と繋がっており鼻の下まで延びていただろうか。
その描き方をする理由がわかった。
彼はアフリカから寄贈されたお面のコレクションに心を奪われていたからだ。
なるほど絵は
自分の気持ちの言葉にしない部分を表すのか。
白黒よりも繊細に、色を塗る作業にもその時の気分が現れてしまうのかと思った。
私は今ミステリーを読んでいる。
恐怖心は、想像力と結び付いているのだ。