鏡が記憶のようだと思う時があって
記憶は横に長い鏡のようなものだと思う
生まれたその時から生まれるその前からかもしれない
記憶があるぶんだけ鏡の長さがある
古い部分は少しずつひび割れていって
割れて粉々になってしまって床に散らばっている部分もあれば
残っていてそこから自分の姿が見える部分もある
汚れてくすんでいて自分が歪んで見えたりする部分もある
生きているだけ鏡の長さはどんどん長くなっていく
それは誰にも止められないし
割れることを止めることもできない
粉々になってしまった所を透明のテープで必死に直そうとしていた部分もあったみたいだ
完全には戻らなくて途中で諦めている
それでも鏡の長さはどんどん増えていくばかりだからー
過去のひび割れた部分を直してもいいし今の見えやすい鏡の部分を見ていてもいい
誰にも介入されることもない
少し寂しくなる
誰にも触れることはできないし直してもらうこともできない
完全に元に戻ることもない
何のためにあるのかも最近わからなくなってきた
ただそういうものなんだと思う
特に意味はなくて
生きているとあるものなんだと思う